インドネシア語検定試験(UKBI)は、インドネシア語の理解度を測る試験として、多くの学習者に受験されています。特にD級は、基礎的な読解力や語彙力が問われるレベルであり、インドネシア語を学び始めた方にとって重要なステップとなります。
今回は、2019年1月に実施された第54回インドネシア語技能検定試験D級の読解問題(I)を詳しく解説します。正解の選び方だけでなく、なぜその選択肢が適切なのか、また問題を解く際のポイントも解説していきます。
インドネシア語検定を受験予定の方、試験対策をしたい方にとって、ぜひ参考になる内容となっていますので、一緒に学習していきましょう!
1. 下線部(a)~(c)に最も適切な語句を選びなさい。
(a)
(a) の文は “_(a)__ tiga minggu lalu dia mencari buku-buku tentang batik di toko buku, tetapi belum mendapatnya.”(三週間前に彼女は本屋でバティックに関する本を探したが、まだ見つかっていない。)という内容です。
ここで、「三週間前から本を探していたが、まだ見つかっていない」という流れになっているため、「~以来」を意味する “Sejak”(B) が適切です。
各選択肢の説明:
- “Selama”(A) → 「~の間ずっと」の意味で、継続する期間を表します。しかし、この文では「三週間前から続いている」のではなく「三週間前に始まった」ことを表しているため不適切です。
- “Sejak”(B) → 「~以来」を意味し、「三週間前から本を探していた」という流れを作るのに適しています。
- “Melalui”(C) → 「~を通じて」の意味で、時間の経過を表すものではないため不適切です。
- “Pada”(D) → 「~に(特定の時点)」を意味しますが、文の意味としては「三週間前から探し続けている」ことを強調する必要があるため、不適切です。
よって、正解は B です。
(b)
「この建物は世界で最も高い図書館で、その高さは126.3メートルです。」と言いたいので、「つまり」「すなわち」を意味する “yaitu” が適切です。
- “tetapi”(A) → 「しかし」→対比を表すので不適切。
- “meskipun”(B) → 「~にもかかわらず」→逆説の文脈ではないので不適切。
- “sehingga”(D) → 「その結果」→原因と結果の関係ではないので不適切。
よって、正解は C です。
(c)
Kaoriは「本を読んでホッとした」と言いたいので、動詞 “membaca”(読む) の後に続くのは「~できる」を意味する “dapat” が最も適切です。
- “masih”(A) → 「まだ~している」(継続の意味)→文脈に合わない。
- “belum”(B) → 「まだ~していない」(未完了の意味)→Kaoriは本を読んだ後の話なので不適切。
- “pernah”(D) → 「かつて~したことがある」→過去の経験を表すため、不適切。
よって、正解は C です。
2. 下線部(1)の日本語訳を選びなさい。
“pekerjaan rumah (PR)” は直訳すると「家庭の仕事」ですが、インドネシア語では 「宿題」 を意味します。
- “復習”(A) → “ulangan” → 不適切
- “独学”(B) → “belajar sendiri” → 不適切
- “予習”(C) → “persiapan belajar” → 不適切
よって、正解は D です。
3. 下線部(2)と同じ意味として最も適切な語句を選びなさい。
“gratis” は「無料」の意味を持ちます。同義語として “cuma-cuma”(無料) が適切です。
- “biaya murah”(B) → 「費用が安い」→無料ではないので不適切。
- “diskon besar”(C) → 「大きな割引」→完全無料ではないので不適切。
- “harga anggota”(D) → 「会員価格」→無料とは限らないので不適切。
よって、正解は A です。
4. 下線部(3)の反意語を選びなさい。
“sulit” は「難しい」という意味なので、その反意語である “gampang”(簡単な) が正解です。
- “murah”(B) → 「安い」→価格に関する意味なので不適切。
- “tipis”(C) → 「薄い」→物理的な厚みに関する単語なので不適切。
- “muda”(D) → 「若い」→意味が合わないので不適切。
よって、正解は A です。
5. Mengapa Kaori pergi ke perpustakaan?
(カオリはなぜ図書館に行ったのですか?)
本文の冒頭には、「Kaori harus mengarang tentang batik Jawa Tengah sebagai pekerjaan rumah (PR).」とあります。これは、「カオリは宿題として、中央ジャワのバティックについて作文を書かなければならない」という意味です。
また、本文の途中で「Pada suatu hari Larasati, kawan akrabnya, mengajak Kaori ke Perpustakaan Nasional.」とあります。これは、「ある日、親友のララサティがカオリを国立図書館へ誘った」という意味ですが、カオリの目的はあくまで「中央ジャワのバティックに関する資料を探すこと」でした。
選択肢Aは「世界で最も高い図書館の建物を見たかったから」という内容ですが、これは本文に書かれていません。
選択肢Cは「ララサティをメダン・ムルデカ・セラタン通りに連れて行きたかったから」という内容ですが、これは本文とは異なります。
選択肢Dは「友達を本探しに連れて行きたかったから」という内容ですが、カオリ自身が本を探すのが目的だったため、不適切です。
したがって、「B. Karena ingin mencari bahan untuk membuat tugas kuliah.(大学の課題のための資料を探したかったから)」が最も適切な選択肢となります。
よって、正解はBです。
6. Apakah membuat kartu anggota di perpustakaan makan waktu?
(図書館の会員カードを作るのに時間がかかりますか?)
本文には、「Setelah menunggu tidak sampai setengah jam, kartu telah siap.」とあります。これは、「30分も待たずにカードが準備できた」という意味です。したがって、「Tidak begitu lama, sekitar 30 menit saja.(そんなに時間はかからず、約30分だけ)」という選択肢が最も適切です。
よって、正解はBです。
7. Siapa yang mengisi formulir anggota perpustakaan?
(図書館の会員フォームを記入したのは誰ですか?)
本文には、「Petugas meminta Kaori untuk mengisi formulir anggota.」とあります。これは、「職員がカオリに会員フォームの記入を依頼した」という意味です。したがって、フォームを記入したのはカオリ自身であり、「Kaori.(カオリ)」という選択肢が正解となります。
よって、正解はCです。
8. Apa PR Kaori?
(カオリの宿題は何ですか?)
本文の最初の部分に、「Dia harus mengarang tentang batik Jawa Tengah sebagai pekerjaan rumah (PR).」とあります。これは、「彼女は宿題として、中央ジャワのバティックについて作文を書かなければならない」という意味です。したがって、「Mengarang tentang batik Jawa Tengah.(中央ジャワのバティックについて作文を書く)」という選択肢が正解となります。
よって、正解はAです。
本文の日本語訳
本文の日本語訳
タイトル『国立図書館へ行く』
カオリはジャカルタで大学に通っている日本人の女子学生です。彼女は**(1)宿題として、中部ジャワのバティックについてのレポートを書かなければなりません。(a) 三週間前から**、彼女は本屋でバティックに関する本を探していましたが、まだ見つかっていませんでした。ある日、親友のララスティが、カオリをジャカルタのメダン・ムルデカ・スラタン通りにある国立図書館へ連れて行きました。カオリにとって、その図書館へ行くのは初めてのことでした。
新しく建設された国立図書館の建物は、2017年9月に完成しました。この建物は世界で最も高い図書館であり、(b) 126.3メートルの高さがあり、24階建てで、地下には駐車場として3階分のフロアがあります。
国立図書館に到着すると、カオリはすぐにインフォメーションデスクへ向かいました。彼女は職員に、国立図書館の会員カードを作る方法を尋ねました。職員は、カオリに会員登録用紙への記入を求めました。その後、職員はカオリの写真を撮影し、会員カードを作成しました。30分も待たないうちに、カードは完成しました。カオリは**(2)無料で**その会員カードを受け取りました。
会員カードを受け取った後、カオリは中部ジャワのバティックの歴史についての本を探し始めました。ララスティもカオリの本探しを手伝いました。最終的に、ララスティは2冊の本を見つけましたが、そのうちの1冊はとても分厚く、内容がカオリには**(3)難しすぎる**ものでした。そのため、カオリは『中部ジャワのバティックの歴史』というタイトルの1冊だけを選びました。
カオリは**(c) この本を読むことができて**とてもホッとしました。そして、彼女を図書館へ連れてきてくれたララスティに感謝しました。
まとめ
今回の問題では、インドネシア語の読解力や文法の理解が問われました。文章の流れをしっかりつかみ、文中のキーワードに注目することで、より正確に解答できることがわかったのではないでしょうか?
特に、適切な接続詞の選び方や、主語と述語の関係を理解することは、インドネシア語をスムーズに読むうえで重要です。日常会話だけでなく、こうした問題に取り組むことで、より実践的な語学力が身についていきます。
試験対策はもちろん、インドネシア語を楽しく学ぶためにも、継続的に練習していくことが大切です。少しずつでも確実に成長している自分を実感しながら、一歩一歩前進していきましょう!
これからも一緒にインドネシア語の学習をがんばりましょう! 🚀
コメント